2017年7月10日月曜日

新型ポルシェ718(ケイマン,ボクスター)に試乗したのでインプレ

ポルシェセンターが718フェアーをやっていたので、遊びに行ってきました~。(^ω^)
お目当ては、もちろん新型718ケイマンとボクスターです。
ポルシェ伝統の水平対向6気筒をやめ、
2000ccの水平対向4気筒ターボになったケイマン・ボクスターの乗り味ははたして?

私は以前、6気筒最終モデルであるらみいさんの981型ボクスタースパイダー
乗ったことがありますので、比較してみることにしましょう。

まずはケイマンから試乗してみます。


スペック
水平対向4気筒ターボ2000cc 300馬力 (Sは2500ccで350馬力) 重量1,365kg 619万円~  

エンジンをかけ、ディーラーの駐車場内で少し転がしただけで、
ボディに非常にガッチリした剛性があることが分かります。

通りに出てしばらく走ってみると、前のモデルの981型に比べて
運転中の上質感が凄く良くなっているのが分かります。
ガッチリした剛性感とハンドルに伝わる豊富なインフォメーションや接地感、
しっとりした心地良い運転フィーリングは、
私の愛車であるメルセデス・ベンツCクラスにそっくり。
なんか自分が考えていたケイマンとイメージが全然違う~。(^-^;)

新型ケイマンは一回り大きな車に乗っているかのような重厚なフィーリングを持っていて、
路面の細かい凹凸は柔らかいサスにより完全に吸収されゴツゴツ感は皆無ですし、
コーナーリング時などサスが大きく動く時は
しっかりと固く踏ん張ってくれる素晴らしい足回りを持っています。

これを例えるならば、ふんわり柔らかい肌触りを持ちつつ、
奥でしっかり支えてくれる上質なベットに寝た時のような心地良い走行フィーリング。

柔らかいスプリングに腰のある高性能ダンパーの組み合わせのようです。
特にダンパーの性能と精度が素晴らしいですね。
昔から「ケイマンは乗り心地が硬い」と言われていましたが、718型はまったく違います。
これが最新のスポーツカーのセッティングなんでしょうね。

そう言えば、ラリーカーなども昔はサスをガチガチに固めたようですが、
今は凄く柔らかいサスを使っているのが映像を見ても判りますからね。
ちなみにこのセッティングでサーキットを走っても全然OKだそうです。
ロールも少ないですし素晴らしい足回りだと思います。



エンジン音は控えめな重低音で4気筒の割には良い音だなと思いました。
たしかに走り出しは前モデルの981型6気筒の方がスムーズですが、
巡航中などある程度回転が上がると全く気にならないですし、
アクセルを踏むとグイッと出る低速トルクも718の方がありますね。

スポーツモードにするとマフラー音が変わり「ブォン」と言う低めの良い音がします。
アクセルオフで「バリバリバリ・・」と鳴るアフターバーンの演出も
スポーツカーらしくていいですね。
スポーツモードはアクセルも敏感になりスポーツ走行には良いですが、
市街地だとちょっとアクセル操作に気を使いますので、
普段乗りにはノーマルモードの方が良いですね。

エンジンは300馬力あるので、そこそこ速いです。
公道で遊ぶにはちょうど良い位のパワー感ですね。
NAエンジンに比べるとガバッと踏んだ時のターボラグが多少ありますが、
一般のドライバーならそんなに気にならないと思います。

シフトは7速ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)で、
レバーはカッチリした手応えでレスポンスも素早く、
シフトダウン時のエンジン回転合わせも非常に正確に制御されていて、
「ワァン、ワァン」と小気味良いシフトチェンジが楽しめます。



ハンドリングは素晴らしく、非常にシャープで機敏です。(゜▽゜)
ステアリングギヤ比は明らかに911よりクイックで
ミッドシップの前後バランスも素晴らしいので、
ミズスマシのように俊敏にコーナーを曲がることが出来ます。
私はいつもスーパーセブンに乗っているので、この位クイックな方が運転が楽しいと感じますが、
一般のドライバーさんの場合は少し慣れが必要になるかもしれませんね。
ちなみに、最小回転半径も物凄く小さくて取り回しが非常に楽な車です。
走行中は常にリアにしっかり荷重がかかっていて、安定感も素晴らしいです。

ブッシュ類は結構柔らかいようですが、
シャシー自体は常にしっかりとしたフィーリングで安心感があり、
走行中左右に振ってみてもグニャグニャ感は無く
挙動が破綻する兆候は全くありません。この辺は流石ポルシェですね。
とても良い気分でケイマンの試乗を終えることが出来ました。(^ω^)



さて、今度はオープンモデルの718ボクスターです。
スペックはケイマンと同じですが、価格が少し高価になります。

走り出してみると、やはり剛性がケイマンより少し落ちているのが感じられますね。
ケイマンはもっとビシっと真っ直ぐ走りますし、シャシーの安心感があります。
サスはケイマンより少し柔らかく、特にダンパーの減衰が弱いセッティングになっているようですね。

ダンパーの硬さは、ボクスターのスポーツモードが
ケイマンのノーマルモードと同じ位のようです。
ボクスターはノーマルモードだとちょっとフワフワ感があるので、
常時スポーツモードで良いと感じました。
しっかりした安心感が出てきて走行フィーリングもケイマン並みに良くなります。



幌は走行中でもボタン一つで開け閉め出来ます。
オープンにした時の爽快感はやっぱり良いですね。(゜▽゜)

あと、驚いたことに布製の幌であっても
閉めた方が車体剛性が上がるのが確認できました。
私も「そんなバカな・・・」と思ったんですが、これは事実です。
明らかに幌を閉めると剛性感が上がりビシっと走るようになりますね。

布製と言っても718ボクスターの幌は両サイドに
非常に頑丈なフレームが内蔵されていますし、ロック機構の精度も凄く高いようで
フロントウインドウのフレームとガッチリ接合されるのでしょうね。
もちろん幌を閉めると乱流が減るので、空力が良くなった影響もあるかもしれません。

幌を閉めた状態では剛性感はケイマンと大きく変わりません。
しかし、それでもやはり少しケイマンの方が剛性があるようで、
カッチリして精度の良い運転フィーリングはケイマンの方が少し上です。

ボクスターとケイマンの屋根の有り無しで重心の高さの違いは特に感じませんでしたので、
ケイマンの屋根は金属製と言っても十分に軽いものと思われます。
どうしてもオープンカーが欲しいと言う人以外は、性能面でケイマンを選ぶことをオススメします。



718ケイマン・ボクスターは物凄く完成度が高く上質感もあるスポーツカーでした。
シャシーもサスペンションも素晴らしい出来に仕上がっていますね。
欠点は一生懸命探しても見つけることが出来ません。
この価格帯のピュアスポーツとしては世界一の完成度を持つ車だと思います。(^ω^)

しかも普通の乗用車とまったく変わらない乗りやすさを持っているので、
免許取りたての女性でも問題なく運転できますし、
コンビニに買い物に行ったり通勤にも問題なく使えます。

乗り心地が大変良いので、長時間ドライブでも疲れは少ないでしょう。
ただ刺激は少なめなので、運転中テンションが上ってアドレナリンが大量に出る車ではありません。
スポーツカーに強い刺激を求める人だと、ちょっと物足りないかもしれませんね。
このあたりは前モデルの981型6気筒の方が多少粗い部分が刺激になって良いかも?

特に981型ボクスタースパイダーは車全体にスポーツカーらしいシャッキリ感がありますし、
NAエンジンの正確なレスポンスも6気筒の「クオォーーン」と言うサウンドも魅力的で、
全体の完成度や乗り心地は718型ボクスターより少し劣るとは言え、
楽しさではずっと上だと思います。

もちろん車はモデルが新しくなると、
どんどん完成度が上がって快適性も高くなっていくわけですが、
それと同時に刺激は少なくなってくるのは仕方ないのでしょうね。
以前試乗したアルファ・ロメオ4Cなどは完成度はあまり高くないですが、
物凄く刺激的で強烈な荒々しさが楽しい車でしたから。

スポーツカーって、やっぱり乗ってみないとわかりませんね。(^ω^)


最後に911とケイマン・ボクスターの比較ですが、エンジンレイアウトを見れば分かる通り
コーナーリング性能はケイマン・ボクスターの方が良いです。
ですからワインディングをミズスマシのように走って
コーナーリングを楽しみたいのでしたらケイマン・ボクスターをオススメします。

911はリアのオーバーハングにエンジンを載せているので独特の癖があります。
リア荷重による強大なトラクションによる立ち上がり加速と、
強烈なブレーキングでもフロントに荷重がかかりすぎない所が武器ですね。
もちろん911はパワーも凄いですから、サーキットでも素晴らしい戦闘力を見せると思います。
911はリアエンジン独特の癖を楽しむ車とも言えると思います。

参考動画

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